脱カメラ初心者!絞り・シャッタースピード・ISO感度を使ってマニュアルモード撮影をしよう
みなさまお疲れ様でごんす。げんせいです。
脱カメラ初心者コラム 第4弾はマニュアルモードでの撮影です。
マニュアルモード(Mモード)は絞り(F値)・シャッタースピード・ISO感度の三つの要素で明るさをコントロールするので少しややこしいかもしれません。
しかし、マニュアルモードをマスター出来れば明るさをカメラに任せることなくコントロールすることが出来るので思った通りの絵作りが出来ます。
マニュアルモード撮影の前提としての知識
まずは前提として絞り(F値)・シャッタースピード・ISO感度の三つの要素を理解しておいてください。
よくわからないという人は下に絞り(F値)・シャッタースピード・ISO感度それぞれについて書いたコラムのリンク貼っときますのでそれ見ちゃってください。
絞り(F値)・シャッタースピード・ISO感度、バッチリですね?それでは次に行きましょう!。
マニュアルモードは光をコントロールするイメージ
【写真を撮る】ということは、一言で現すなら【光を捉える】ということです。
光がなければ当然ながら何も見えません。
その捉える光をどうコントロールするかというとお馴染み絞り(F値)・シャッタースピード・ISO感度の三つです。
しかしこの三つも好きなだけ自由に変えられるわけではありません。以前のコラムで解説した通り、絞り(F値)は被写界深度のコントロールに、シャッタスピードは手ブレ・被写体ブレの防止に、ISO感度はノイズに関係してきます。それぞれの数値を調整し、最適な明るさに持っていくのがマニュアルモードでの撮影方法です。
マニュアルモードでの撮影の流れ
お次は実際のマニュアルモード撮影の流れを見ていこうかと思います。
今回Nikon D750とAF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition)を使って便利な広角ズーム AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G EDを被写体に撮影したいと思います。
まずはF値とシャッタースピードを決めよう
まずはF値を決めましょう。背景はそこまでぼかしたくないのでf値5に設定します。
シャッタースピードは、今回は動体ではないので手ブレしない程度のシャッタースピード、余裕を持って1/100秒に設定します。とりあえず感度は一番低い100に設定しておきます。
このような設定で撮影すると…
このようにかなり暗いですね。ここからISOを上げてちょうどいい明るさに持っていきましょう!
ISOを上げて適正露出に持っていこう
そもそも露出とはなんぞ?ということを説明しましょう。
露出とは、撮像素子(画像センサー)に光を当てることです。その光の当たる量はF値・シャッタースピード・ISO感度で決まります。
その当たる光の量が適正な場合を【適正露出】と言い、露出が適正より明るい場合はオーバー、暗い場合はアンダーと言います。
適正露出の確認方法
ちなみに適正露出は【露出インジケーター】という表示で確認出来ます。簡単に言えば明るかったら+側に、暗ければ-側になる指標ですね。
マニュアルモード以外は適正露出はカメラが自動的に判断してくれます。
たとえば絞り優先モードならF値は人間が決めます。その時カメラは、カメラが判断した適正露出に向けてシャッタースピード・ISO感度を設定します。そのままシャッターボタンを押せば適正露出での撮影が出来ます。
撮影した写真を見て「もう少し明るくしたいなぁ」と思ったら露出補正インジケーターを+側にもっていけば、カメラは「さっきのより明るくすればいいんだ!」と判断してシャッタースピード・ISO感度を再設定します。
「じゃあマニュアルモードでは露出インジケーターは意味無いの?」と思うかもしれませんがそんなことはありません!マニュアルモードの時は適正露出の目安として使えるので、まずは露出インジケーターが適正を指すようにF値・シャッタースピード・ISO感度を設定して行きましょう!
先程F値:5 シャッタースピード:1/100 ISO感度:100で撮影しましたが、F値とシャッタースピードを変えずにISOだけ上げましょう。露出インジケーターを確認しつつ適正になるまで上げていきます。
このように適正露出になりましたね。流れとしては
- F値とシャッタースピードを決める(動体でなければは手ブレしないシャッタースピードで、動体の場合は動きを止めたいか流したいかで決める)
- ISOを決める。露出インジケーターを確認し、露出アンダーな場合は感度を上げ、露出オーバーなら感度を下げる。
はい、これだけですね。F値・シャッタースピード・ISO感度の3つを同時に考えるからややこしいだけで、優先度を決めて順番に決めればそんなに難しくはないのですよ、マニュアルモード。
適正露出から各数値を変えたい場合の流れ
F値・シャッタースピード・ISO感度を設定して適正露出になりました。写真を確認して「もう少し背景をぼかしたいなぁ」と思ったとします。背景をぼかすならF値を小さい値に設定すればOKですね。では開放1.8に設定してみましょう。
白飛びしてしまいました。F値を下げた(絞りを開いた)事により光の取り込む量が増えたことが原因ですね。
ここから露出インジケーターを参考にISOを下げていってもいいのですが、すでに一回適正露出は判明しています。
ここではEV(Exposure Value)を使ってF値を下げつつ適正露出に持っていきましょう。
EV(Exposure Value)とは?
Exposureとは露出、Valueとは値という意味です。
EV(Exposure Value)は訳すと【露出値】になります。ざっくりいうと明るさの指標、といったところです。
EV値は【段】というふうに表現します。
設定でEVは1/3や1/2など変えられます。私は1/3に設定してますのでそちらで説明します。
表を見れば分かりますが先程の適正露出から9ほど左にずらしましたね。段で言えば3段分明るくなってます。
じゃあどうすればいいの?って話ですが簡単です。
F値以外、今回で言えばシャッタースピードかISO感度を3段分下げればいいのです!
F値が3段分明るくなったので、ISO感度を3段分暗くします。そうすると…
このように適正露出となりましたね。先程のF値 5の設定・写真と見比べてみましょう。
このように同じ明るさで、F値の変更が出来ました。
F値・シャッタースピード・ISO感度はそれぞれ関係しあい、どれかを一つを一段上げれば、他の設定を一段下げれば同じ明るさになるのです。
EV(Exposure Value)を理解すれば、自分の撮りたい明るさを見つけてからそれぞれの値を調整していく、というスタイルで撮影出来るようになります。
まとめ
4回に渡ってお送りして来ました脱カメラ初心者コラム。今回のコラムでマニュアルモードでの撮影が出来るようになるかと思います。マニュアルモードで撮影出来れば脱カメラ初心者といっても過言ではないですね!
絞り値・シャッタースピードを決めてからISO感度を設定する
まずは被写界深度を考えてF値、動きや手ブレのことを考えてシャッタスピードを決めます。それから露出インジケーターを目安にISO感度を設定していきます。まずは自分の思った露出に明るさを持っていきましょう。
もしISO感度が高すぎる場合はEVで調整していこう
F値・シャッタースピード・ISO感度はすべて同じEVという単位で考えられます。F値を1段上げたとしたら、シャッタースピードかISO感度を一段下げれば同じ露出を維持出来ます。
F値・シャッタースピード・ISO感度は同じ間隔で明るさが上がって行くと覚えましょう。
今回使用した機材